麗ド・ラ・ヴァレット、大統領官邸・エリゼ宮へ行く。Palais de l’Élysée

パリガイド

はじめにお知らせ:今回より、掲載する写真のサイズを795×446といたしました。
写真をお見せするブログでもありますので、今後更に写真のクオリティにこだわってまいります。
コメント欄から、「スマートフォン対応になっていない」「メルマガ制度はありますか」といった
お問い合わせをいただきましたので、現在対応に向けて作業中です。


麗ド・ラ・ヴァレット、大統領官邸・エリゼ宮へ行く。Palais de l’Élysée

大げさこの上ないタイトルをつけてみましたが(笑)、
フランスでは先日、9月15日、16日と「ヨーロッパ文化遺産の日 」
Journées Européennes du Patrimoine(ジョルネ・ユーロピアン・デュ・パトリモアン)でした。
私はこの文化遺産の日に、Palais de l’élysée、大統領官邸・エリゼ宮へ行ってきました。
« Patrimoine européen : l’art du partage »「分かち合うアート」

この「ヨーロッパ文化遺産の日 」とは、
50カ国が加盟するヨーロッパ文化会議を含む欧州評議会と欧州委員会の合同イベントのイベントで
1984年に、フランスで文化大臣ジャック・ラング氏が『La Journée Portes Ouvertes(ドアを開ける日)』を提唱し、
文化省の後援でフランス 文化財(文化遺産)の日(Journées Du Patrimoine)が始まりました。

毎年、9月第三週末に開催されるこのイベント、「ヨーロッパ文化遺産の日 」においては、
普段は公開されていない施設や政府機関が一般に公開され、美術館や歴史的モニュメントにおいては特別な
催しものを楽しめたりします。今年のテーマは« Patrimoine européen : l’art du partage »「分かち合うアート」。

加えて、今年2018年はヨーロッパの文化ユニットを再確認することを目的として、
「ヨーロッパ文化遺産の年」と提唱されています。
これは5月に欧州評議会と欧州委員会が決定したものです。
4月に公式サイトpatrimoineeurope2018で公開されたリストでは9月15日、16日だけではなく、
10月28日までの関連イベントが公開されています。
この2018年・ヨーロッパ文化遺産の年イベントでは5月から「皆でオペラへ」というタイトルの
オペラ座無料オープンデーが用意されたり、5月19日には「博物館の夜」というタイトルにて
全国の博物館・美術館が無料公開されたりと非常に贅沢な楽しみが提供されてきましたが
残りの10月28日までのリストと開催場所を上げておきます。

10月19日から21日:Journées nationales de l’architecture「フランス建築の日」
公式サイトのリンクを貼っておきます:https://journeesarchitecture.culture.gouv.fr/

110月25日から28日: Salon du patrimoine culturel à Paris「文化遺産見本市」
公式サイトリンク:https://www.patrimoineculturel.com/

話を9月15日、16日の「文化遺産の日」Journées Européennes du Patrimoineに訪ねたエリゼ宮に戻します。
パリ市内にも多くの文化遺産がありますが、この文化遺産の日に、
最も込み合うのではないだろうかと考えられるのがこの大統領官邸・エリゼ宮です。
実際に、毎年、文化遺産の日当日にテレビ、あるいはネット上のニュースにおいて
報道されるのも、このエリゼ宮に集まった人々の数と大統領がおでましになった際の映像です。
下の写真。普段はその扉を硬く閉ざしているエリゼ宮。一般に開放されるこの文化遺産の日は見学の絶好のチャンスです。
By Eric Pouhier (Eric Pouhier) [CC BY-SA 2.5 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5)], via Wikimedia Commons

下の写真、大行列です。後で確認した情報では、人が並び始めたのが、午前3時。午前6時についた人が入場できたのが午前9時。
Youtubeに投稿されたテレビ局のヴィデオで確認しました。

私のフランス人の主人の曽祖父はその仕事で、マティニョン館(首相官邸)に出入りし
Légion d’Honneur(レジョン・ドヌール)勲章を二回受けた人物なので、
チャンスもあったでしょうが、一般人にはこの日が唯一の機会、エリゼ宮を楽しみに行ってきました。

文化遺産の日にエリゼ宮へ行こうと決めた私がまずしたことが、Google上での情報検索。
何よりも知りたかったこと、それは「何時間の行列に並ぶのか。」
フランス語で書かれたとある旅ブログを発見、そこにはこの文化遺産の日にエリゼ宮へ行った体験記が詳細に書かれており、
行列する通り名から、そのブロガーのかたが何時間並んだのか、
また車椅子やベビーカー連れの人々のための一般とは異なった
入り口まで細かく説明されており、私はその記事を頼りに行列する道路へと向かいました。
情報によると、そのかたが朝7時に行列に並び始め、エリゼ宮に入ることが出来たのは午前の終わり、
エリゼ宮を出たのが午後初め。朝7時前には着いたほうがいいとの勧めでした。
私はその勧めに従い朝6時に出発。15分もせずにコンコルド広場へ到着したものの、名前の通りの周辺は通行止め。
まだうす暗いコンコルド広場近くの入り口に多くの警察車両とバリケードを発見。
「この場所が入り口でしょうか。」と警察のかたに訪ねるとそうだとのお答え。
「今から並ぶと何時間ほどの待ち時間になるか教えていただけますか」と訪ねると
「今からだと4時間くらいで入れますよ。」と教えてくださいました。
実際にエリゼ宮に入ることができたのが、その3-4時間後のことでした。
なお、詳しいアドレスと地図は記事の最後にお付けしてあります。

下の写真、行列した道路の脇には歴代大統領の写真パネルがあり、飽きさせませんでした。心憎い演出! 写真はシャルル・ド・ゴール大統領。

「今年の文化遺産の日にはエリゼ宮を見学に。」私はこのような自分自身のどのような望み、
小さな望みから大きな望み・あるいは経験までを全て、自身に与えてやることにしています。
これは自分自身を自分で幸せにしてゆく最も簡単で、でも非常に大切な方法です。

これがエリゼ宮の別の門です。当然のことながら厳重なセキュリティ・チェックがありました。
下に見える白いテントがセキュリティ・チェック。
ミネラル・ウオーターなどのボトルをチェックする機械もあり、ボトルはセキュリティ・チェック後に持って入ることができます。
下の写真、Grille du Coq グリル・デュ・コックと呼ばれる門。
下の写真、エリゼ宮の敷地に入りました。広大な敷地に驚かされます。
今回、三脚を持っていかなかったので、水の流れを綺麗に撮影できませんでしたが
これでもきれいな風景だと思いませんか。非常に「静謐」な空間でした。
下の写真、緑の多い、美しいエリゼ宮の建物が見えてきました。中に入っても大行列です。

エリゼ宮の歴史
今日、「エリゼ宮」と呼ばれているこの建物は1718年から1722年、代々フランス国王の庭を任されていた
家系出身の建築家、モレの手によって、貴族エヴァリュー伯の邸宅として建設されました。
エヴァリュー伯の死後、1753年にはルイ15世によって公妾として知られる
ポンパドウール伯爵夫人とために買い取られましたが、彼女はこのに常に住んでいたわけではなかったようです。
ポンパドウール伯爵夫人の死後には彼女の兄弟が相続、
その後はルイ15世の大使たちの住まいとして使われたり、
何人もの人々、例えば銀行家であったり、ブルボン家の公爵夫人であったりと所有者が何度も変わり、
多くの改築をも繰り返しています。1786年にはルイ16世に寄贈されています。

フランス革命時代には、展示会会場としてあるいは舞踏会会場として使用されていたこの館は
ナポレオン帝政時代にはナポレオンの近親者によって買い取られています。
ナポレオン1世が帝位の際に署名したのはこのエリゼ宮の一室、銀の間での出来事でした。

その後、この館が再び王室のものになったのは1816年のこと。
シャルル5世の息子・ベリー公爵が住まいとしていました。
最終的に1848年の政令によってフランス共和国大統領官邸となり、
最初の大統領となったルイ・ナポレオンによって全体的な大改装が依頼され、
現在のエリゼ宮の間取りができあがったそうです。

沢山の子供たちがパネルに絵を描いて遊んでいました。
中庭側の窓。まずは美しいその窓を楽しんでください。大統領がこの窓に立たれている場面なども写真でみかけますね。
こちらの写真もエリゼ宮正面です。間もなく建物内部へ入ります。
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