世界遺産・シャンボール城の建築五百年記念。城を眺めて眠るエレガントなその旅。

フランス国内・魅力の旅行。

こんにちは。 麗です。
私は先日また、シャンティィー城(Domaine de Chantilly)のJournées des plantes「植物の日」のイヴェントへ出かけてきました。
後日公開しますのでどうぞご期待ください。写真はクリックで拡大させられます。


最近は冷え込む日も少なくありませんが、
私は冬になると極力温かいスープや煮込み料理、あるいは以前ご紹介したハーブティーを
取り入れて体を温めるようにしています。
小さい子供がいるので、スープや煮込み料理などは「超大量」に作って冷凍庫へ入れてしまいます。
主婦のかたはみなさん、工夫なさっておられると思いますが、このような「知恵」を沢山とりいれたいものですね。
さて今日は世界遺産・シャンボール城のお話です。
今までもいくつかの城の記事を書きましたが、今回からは城の「みどころ」を挙げてみる事にしました。
特にシャンボール城は非常に大きな城ですので、みどころを知っていたほうが回りやすいとの判断からです。

世界遺産・シャンボール城の500年記念。城を眺めて眠るエレガントなその旅。
「フランスの城」「ヨーロッパの城」と聞いて多くの人が思い浮かべるのが
「ヴェルサイユ城」とこの「シャンボール」城ではないでしょうか。
前回ご紹介した「ブロワ城」から約20キロの場所に位置するこのシャンボール城、その壮大さと、その美しさでよく知られています。

総敷地面積5500万㎡、建物の幅は156m、奥行き117mというその壮大さ。フランスを代表する城です。
パリから車で約2時間ほど、電車「Intercite」にて80分ほど。
数限りない王家の城があることで知られるロワール峡谷を代表するこの城は
1981年に世界遺産登録されましたが、2000年にロワール渓谷全体が世界遺産登録されたことでその中に含まれました。

この城は16世紀にフランスを当時していた時の国王・フランソワ1世(在位1515年 – 1547年)によって
国王の趣味であった狩猟用の邸宅として建てられました。
設計師はイタリア人建築家で、イタリアの古典的建築様式に伝統なフランス中世の建築様式を
取り入れたフランソワ1世らしいフレンチ・ルネッサンス様式です。
フランソワ1世の命によって建築が始まったのが1519年の9月のこと。
来年の2019年には建築500年を迎え、城の歴史を祝う記念イベントが待っています。
(詳しい日程は今のところ未公開のようです。)

128のファサード、屋上には365ものデザインの異なった塔、
城内部には400以上の部屋に始まって、800以上もの彫刻の施された柱、365の暖炉があります。

白い壮大なこの城はロワール渓谷の森のなかにそびえ立っています。
城の周囲には52.5平方kmの森林公園が広がり、31km(20マイル)の壁で囲まれた禁猟区には
アカシカやイノシシなど様々な動物が生息しています。

Par User:Elementerre [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) ou CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/)], via Wikimedia Commons

シャンボールのみどころ

①二十らせんの階段
城内部の中心にある二重の螺旋階段は、フランソワ1世が「私の父」と呼んでいた
レオナルド・ダ・ヴィンチが設計したといわれています。
(余談ですが、前回ご紹介したブロワ城の螺旋階段もレオナルドダヴィンチによるものです)

階段。スパイラル状になっており、階段を登る人と降りる人はお互いに顔を見合わせることがありません。螺旋階段を横に、天井が美しい。

螺旋階段の手すりと壁の装飾。フランソワ1世の象徴、「サラマンダー」が見えます。
螺旋階段内部。

②屋上テラスからの見事な眺めと背後の塔の美しさ。

①でご紹介した二十螺旋の階段をあがってゆくと、屋上のテラスに出ることが出来ます。
この屋上のテラスからの眺めが素晴らしい。
シャンボールの森林公園の大自然の緑を眺めることが出来るだけでなく、
背後には365もの美しい塔が天に向かってのびています。
私はこのテラスに初めて登ったとき、あまりの壮大さと塔の彫刻の美しさに涙がでそうになりました。
これがテラスに立ってみる、シャンボールの眺めです。
テラスから背後の塔を眺める。

こちらはテラスからの眺めではありませんがテラスの党が美しく見えますね。

③フランソワ1世のアパルトマン
シャンボール城はフランソワ1世が「狩猟用」の邸宅として建てさせたもので
フランソワ1世自身は普段、前回このブログでご紹介した「ブロワ城」並びに「アンボワーズ城」を
主な移住地としていました。
ここで「狩猟」について少し書いておきますと狩猟は漁労や採集活動と並んで、人間社会の最初期から存在する生業であるばかりでなく
現在までも続く王族・貴族たちの習慣で、狩猟で得た肉は「ジビエ」と呼ばれ秋の高級料理として
食されています。
当時の王宮の暮らしは季節ごとに移動してもおり、王が滞在する期間だけ、家具や食料を運んでいたといいます。
この城のうれしいところは「フランソワ1世のアパルトマン」と「ルイ14世」のアパルトマンが1度に
見られるところ。
これらは資料による再現になりますので実際にフランソワ1世が使用していたものではないのですが
実際の暮らしがどのようなものだったのかを知りための非常に重要なものであることには
違いない、美しい国の宝です。
フランスでは現在も家具や調度品を称するのに「これはルイ14世様式」などと当時の王の名前で
呼んでいますので年代別の様式の違いを知っておくととても便利です。
それぞれの王の趣味の違い、フランソワ1世のルネッサンス様式とルイ14世の様式を比較してみてもいいかも知れません。

さて、この城、実際に住むには不向きであったといわれていますが、
私のフランス人の主人、フランソワ1世に仕えていた貴族の末裔の家の彼によると、
「なあ、麗、城は寒くて住めないんだよ、ルイ14世もヴェルサイユが寒くて実際の寝室
じゃなくて小さい部屋で眠っていたというしね」などと話して、城の暮らしを
面白く話しています。

この城では数多くの「F」、フランソワ1世の頭文字と「サラマンダー」を見つけることが出来ます。

フランソワ1世のベッド。
こちらもフランソワ1世の象徴、サラマンダー。
フランソワ1世の肖像画。

④ルイ14世のアパルトマン。

⑤森林公園

フランス様式の庭と森林公園
シャンボールの森林公園は全長32キロの城壁によって囲まれておりフランソワ1世の末期に建設が始まりました。
800ヘクタールの森の中には数多くの動物が生息、鹿やイノシシに出会えるかも知れません。
四輪駆動車にのってこの森林公園を巡るツアーがあります。
シャンボール公式サイト:https://cdn1.chambord.org/fr/wp-content/uploads/sites/2/2016/10/plan-promenade-juin-2017.pdf
⑥数多くのイベント。
ご存知でしょうか、シャンボールでは年間を通じて数多くのイベントが行われています。
夏のミュージック・フェスティバルの時期には多くのクラシックコンサートが、
2018年の夏には「Son et Lumière (ソン・エ・ルミエール)」光と音の祭典が、
または馬のスペクタクルが、もうすぐクリスマスですが、クリスマスにはクリスマスのイベントが。
私自身もこの城で行われたスペクタクルやイベントに何度も足を運んでおり、
今年のクリスマスイベントへも行こうと思っています。

下はシャンボールの公園内を一周する馬車です。

シャンボール城を眺めて眠る、エレガントなその旅。
ここからは私、麗がお勧めするシャンボール城の楽しみ方をご紹介したいと思います。
私が二度目にシャンボールのイベントに足を運んだときに、宿泊する必要がありましたので
ホテルを探したのですが、ブッキングのサイト上で目にしたのが一枚のシャンボール城の写真でした。
シャンボールの冬景色と、目の前にそびえる一軒のホテル・・・。
その風景に人目ぼれした私は、すぐさまそのホテルに予約をいれたのです。
ご存知でしょうか、シャンボールの敷地内には一軒のホテルがあります。
そのホテルの部屋からはシャンボールを眺めることができるのです。
私がすぐさま予約をいれたわけ・・・それは「シャンボールを眺めて眠りたい !!」ただその一心からでした。

さてそのホテル、かつては、「Saint Michel (サン・ミシェル)」という名前でしたが、
改装のためしばらくの間休業、その後全面改装され、新しく「Relais de Chambord(ルレ・ドシャンボール)」というホテル名で
再オープンしました。

https://relaisdechambord.com/
シャンボール城でのイベントを見て、城を眺めながら食事、更に自分の宿泊する
ホテルの部屋から城を眺めながら眠りにつく・・・とてもエレガントだと思いませんか。
新しいシャンボール城の楽しみ方として、提案したいと思います。
私自身もまた宿泊することがあると思いますので、その際にはまた、このブログ上でご紹介したいと思います。

下の写真がかつてのホテル。改装前です。
こちらも改装前、レストランです。以前はクラシックな内装で統一されていました。現在は非常にモダンな内装になっています。
こちらも改装前、ホテルの前にテラスがあり、食事もできました。
レストラン。
当日いただいたお食事。

シャンボールへのアクセス
電車で行く

フランス国鉄SNCF INTERCITES
パリのParis – Austerlitz(パリ・オーステルリッツ)駅からBlois-Chambord(ブロワ・シャンボール)まで
鉄道「 INTERCITES」に乗って約1時間30分

SNCF公式サイト : https://www.ter.sncf.com/centre-val-de-loire

車で行く

パリの南から約2時間、ブロワ中心からは15キロ。
高速 A10線、出口 Mer (n°16) 出口 Blois (n°17).
高速 A85線、出口 Selles-sur-Cher (n°13).
高速 A71線、出口 Lamotte-Beuvron (n°3).

Google Mapsの位置情報
GPS位置情報 : Latitude : 47.614 921 1 – Longitude : 1.515 745 700 000 025

Blois-Chambord(ブロワ・シャンボール)駅からのナヴェット
Blois-Chambord(ブロワ・シャンボール)駅から、ナヴェットと呼ばれるバスが出ています。
バスは2本走っており、1本はシャトー巡りをする観光バス/ナヴェット
「Navette châteaux Rémi(ナヴェットシャトーレミ)」こちらは 3月31日から11月4日までの運行。

以下のサイトで詳しい時間並びに運行状況をご覧ください。
https://www.bloischambord.com/planifier/transport/navette-bus-mini-bus/navette-blois-chambord-villesavin-cheverny-beauregard-254973
http://medias.tourism-system.com/f/6/462273_navette_chateaux_du_3_sept_au_4_nov_2018.pdf

更にもう1本は「NavetteRémi Blois(ナヴェットレミ・ブロワ)」こちらは一年を通じて運行。
ブロワ・シャンボール駅発。

https://cdn1.chambord.org/fr/wp-content/uploads/sites/2/2016/11/LIGNE-02-REMI-FICHES-HORAIRES.pdf

下がブロワ駅。現在は「ブロワ・シャンボール」という駅名に変更になっています。ナヴェットは写真右。玄関をでて左から出発します。

これまでにご紹介した城の特集記事へのリンクを張っておきますのでご覧ください。

フランス国王・フランソワ一世とレオナルド・ダ・ヴィンチ、その歴史・アンボワーズ城 

今も薫る、レオナルドダヴィンチの叡智の全て/終の住まい・クロリュセ城・アンボワーズ。Le Château du Clos Lucé

ヴェルサイユを楽しみつくす。第一回。Château de Versaillesとヴェルサイユの街を歩く。

ブロワ城とシックで閑静なその城下町。Château royal de Blois・フランス城建築の魅力。

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