ヴォー=ル=ヴィコント城のフランスで一番豪華なクリスマス/ノエル。Vaux le vicomte fête Noël

パリガイド


ヴォールヴィコント城のフランスで一番豪華なクリスマス。

ヴァルサイユ城のモデルとなったといわれる、ヴォールヴィコント城はパリから東南へ車で約1時間、
郊外電車で約45分に位置するフランスを代表する城です。
ルイ14世の大蔵卿ニコラ・フーケ(Nicolas Fouquet)は、この城を建築した17世紀、
当時最高の芸術家たちを招いて建築にあたらせています。

建築家のル・ヴォー、画家のル・ブラン、造園家のル・ノートル。
フランスの城の歴史を語る上で欠かせないこの芸術家たちが関わった
この美しい城では1661年8月17日に、国王14世に敬意を示すための祝宴が執り行われました。
1661年8月17日、コンサートや演劇、花火で演出されたその祝宴はフランスで1、2を争う豪華さだったと言われています。
祝宴に招かれた国王14世はこの城に、祝宴の豪華さに激しく嫉妬しフーケは逮捕・投獄されてしまいます。
彼の財産はルイ14世によって没収され、ヴェルサイユとルーヴルに移されました。
悲しいことに、この城の持ち主は二度と彼の建てた城に帰ることなく、
投獄先で亡くなっています。

そして同じ年にルイ14世は、ヴェルサイユ宮殿を建設するために、
ヴォールヴィコント城の建設にあたった芸術家たちを招喚し
ヴェルサイユ宮殿が建設されました。
これが、ヴェルサイユのモデルとなったといわれる由縁です。

この城はやがて1875年に銀行や製糖業で成功した
実業家のアルフレッド・ソミエ氏によって買い取られ
大規模な改装が執り行なわれ、荒れ果てていたという城はかつての豪華さを取り戻しました。
以降、現在までこの城の所有者はこのソミエ氏のファミリー・後継者です。

今回はこの城で行われるノエルの時期のデコレーションが美しいと聞き、
ノエルの時期に出かけてきましたので記事にしたいと思います。

この城を訪ねて感じるのは、その豪華さだけでなく、
元の所有者ニコラ・フーケ大蔵卿に対する配慮といいますか、敬意です。

今回のノエルのイベントでは、この城の数々の部屋・サロンにデコレーションが
施されていたのですが、その豪華さ・極めて丁寧な仕事から成り立っている
見事なデコレーションを見て、
私は「これはフランスで一番豪華なノエルのデコレーションではなかろうか」と思い、
更に1661年にニコラ・フーケ大蔵卿が執り行った祝宴の様子を思い浮かべずにおれませんでした。
思わず、その場にいる人ををタイムスリップさせてしまうほど
豪華絢爛で、幻想的な美しさのヴォールヴィコント城のノエルの写真をお楽しみください。


ludovicus magnusと書かれた彫像があります。ルイ14世のこと。

各部屋に異なったデコレーションが施されていたのですが、それぞれ、タイトル・テーマがありました。

城の表玄関も豪華なデコレーションが。子供が喜びそうです。

下は城の入り口、表玄関を入ったところのホールです。

この城は非常に多くの馬車を所有していてそれらが飾られていました。1台にサンタ・クロースを発見。

「Le matin de Noël(ノエルの朝)」と名つけられたデコレーションがあるのは
「ミューズの間」、このサロンは芸術家・ルブラン(Charles Le Brun)による装飾で、
「アミンタとシルヴィア」を題材としたタピスリーがかかった見事な部屋です。

このデコレーションには思わずため息をついてしまうほどでした。デリケートな白の、雪の装飾。
下が全体図。

鏡越しにデコレーションを撮影してみました。ミューズの間の見事な装飾も見えますね。

白い雪の、ノエルの朝を感じてみてください。何枚か写真を載せてみます。
これだけ豪華なデコレーションも珍しい。見事です。

これより次のページへ参ります。
「2」をクリックなさてください。今回は写真が多いので4ページに渡ります。

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