私は東京都の住宅街で育ったので自宅の近くに「海」などなかったが
成長するにつれて、頻繁に海を眺めに行くようになった。
横浜の海、鎌倉の海、葉山の海・・・。
海に着くために乗った電車の中から、海が見えてくるだけで
もう心が躍ったものだった。
海を眺めながら、深呼吸するだけで、心の底から癒される。
空に私の心を預け、「エゴ」を無くし、ただ海と空を眺めながら呼吸することに身をまかせる。
私にとって、「海」とは宇宙へと向かう玄関口・空と
緑の地球の上の天国である。
今からもう数十年前のこと、私は東京の書店で買ったファッション雑誌に掲載されていた
「Saint-Tropez(サントロペ)」の特集」を読んでいた。
当時、私は東京の中心で働いており、
まだ「フランスへ留学を」などとは考えておらず、
今後の自身の人生をどう生きてゆけばいいのか迷っていた。
海が大好きな私はSaint-tropez(サン・トロペ)の港の写真を眺めながら、
「一生に一度でもいいからサントロペという所に行ってみたい。」と考えていた。
今は世界中に行くことの出来る時代だから、フランス・パリまで行くのは飛行機に乗るだけで簡単だとは
知っていたけれど、南仏・サントロペとなるとそうも行かない。
東京からサントロペまではパリ、あるいはニースまで飛行機に乗り、
そこから南仏の海岸線を車で行かなければならない。
そこで、「一生に一度でいいから。」と考えていたのだ。
そのことがあってから数年後、私は海外へ留学することを考え始め、
行き先を「フランス」に決定した。
フランス留学中に私はひとりのフランス人男性と出会い、紆余曲折を経た後その男性と
2008年に結婚したのだが、その男性が偶然、サントロペ近郊に別荘を所有しており、
毎年、夏をサントロペとその海岸線の町で過ごすことになった。
2008年の夏、私は生まれて初めてサントロペの港に立ち、
不思議な気持ちになった。
かつて「一生に一度でもいいからサントロペへ行きたい。」と考えていたことを
思い出したのである。
私は自分の目の前にある自分の人生を生きることに一生懸命で、数十年前のその願いをすっかり
忘れていたのだが、私の運命は私が望んだことをしっかりと、覚えていたのである。
人間の望みというものは、実は全てが叶えることが出来るために、そこにある。
叶う、そのために望むのだ。
人間の命がある理由はその無限の可能性を試し、
自己の魂を成長させるためだ。それを無駄にしてはいけないと思う。
2019年、今年の夏も私はサントロペに来て、
かつて望んでいた「一生に一度でいいから」という私の「頭の中の人生設定」から
「好きなだけサン・トロペに来ていい、好きなだけサントロペにいてもいい」という人生設定に書き換えた。
人間は頭のなかの思考をより良いものに書き換えることも必要である。
こうして、子供の頃から海が大好きで、かつて1度でいいからサントロペへ、と願っていた私は、
自分自身にとって最も心地のよい海、コート・ダジュールの海岸線を見つけた。
人間の望みというものは実を言うと、それを頭に思い描いた時点で
叶っているのだ。
私たちの「魂」は宇宙の中心からやってきていて、本当は私たちには「時」がない。
全ては同時進行しているのだが、人間として営んでいる私たちの
次元では、過去・現在・未来があるように見えている。
私たちの魂のふるさと・宇宙の中心には「時」が存在しない。
人間の「望み」というものは全て、叶うために、かなえる為に存在するのだ。
望みが叶わない理由に「思考できないこと」があげられる。
頭の中でその魂の壮大な計画を思い描くことが出来ずに
日常の雑念の奴隷となってしまっているのである。
人間の魂は本来、「宇宙」と同じように壮大なものである。
それを、日常の雑念や、目の前の小さな望みや、
流れてくる誰かのスキャンダルで汚してしまっているのである。
人間関係のエゴからくるいざこざや他人の噂話で心を
占領されてしまう人や、そのような場合には、海と空を眺めるといい。
きっと、海に関心がなくとも、海の浄化能力できっと何かを変えられる。
インターネットを見ていると見知らぬ芸能人が見知らぬスキャンダルで
叩かれている。
ばかばかしくないですか。
そんなことより、あなたの魂の壮大さやその望みについて
考える時間を取ってください。
それが地球平和の元です!
自分の外側に何かを探すから、いつまでも壮大さや幸福を感じられないのです。
自分の外に「愛」や「幸福」を探すのではなくて
幸せにすべきは自分自身。
人を正すのではなく、正すべきは自分自身。
人と戦うのではなく、戦うべきは自分自身。
私はいつも「海と空」の壮大さを見ていたいと思うし
もっと豊かでありたいと願う。
それら壮大さを、細かな、雑念で汚したくないと思う。
このように、誰もが人間本来の思考の壮大さを思い出せば、地球は良くなるのだとも思う。
人間よ、もっと魂の偉大さを壮大さを思い出せ。
もっと人生の壮大な望みを思い描けよ。
私はこの夏、コートダジュールの海を走る
船の上で海の美しさに涙しながら
この命を使ってコートダジュールの海にいることに心の底から
感謝していた。
命よ、ありがとう。海よ、ありがとう。
サントロペ、私の愛。
以下の記事を予定しています。
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